コスパ最強のラインアップを
生み出す最新技術

福徳長酒類株式会社 韮崎工場
Fukutokucho-Shurui Nirasaki-Factory

 

独自製法「瞬冷(しゅんれい)造り」

 オエノンホールディングス株式会社(本社・東京)のグループ会社である福徳長酒類株式会社(本社・千葉)。国内3カ所に生産拠点があり、福岡・久留米工場で主に麦焼酎、鹿児島・薩摩工場で芋焼酎、そして、ここ山梨県韮崎市穂坂町の韮崎工場では清酒を製造している。茅ケ岳、甲斐駒ケ岳、八ケ岳の山々を望み、美しい自然と清冽な水から生まれる淡麗ですっきりとした味わいの酒はコストパフォーマンスも良く、高い評価を得ている。より良い品質の商品を届けるため、2001年に品質マネジメントシステムである国際規格ISO9001を認証取得。また食品安全マネジメントシステムのFSSC22000も認証取得している。

 一般的な地酒の酒蔵で1回に仕込む米の量が1-3トンとすると、同工場は20-30トンという桁違いの単位で生産している。その一方で、50人前後いる工場スタッフのうち、造りに携わっているのは9人と少人数だ。効率的な生産を支えるカギは、独自製法にある。
 同工場では、「瞬冷造り」と呼ばれる独自の醸造法を用いて品質向上を図っている。「粉砕した米を蒸気で瞬間的に加熱した後、短時間で冷却する製法です。米の旨味を最大限に引き出す効果があります」と伊藤慈洋工場長。また、隣接するオエノンホールディングス株式会社の酒類基礎研究所では主に清酒に関わる酵母の研究もしており、瞬冷造りに適した吟醸酵母も開発。日夜、最新技術を研究し、生産に活かすことで品質向上に取り組んでいる。



 

米の旨味と華やかな香りが人気「す~っと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒」

 同工場では四季を通じて醸造可能な生産環境を持っているため、清酒ファンに向けたこだわりの酒や、大型容器入りで晩酌にうれしい商品など、豊富なラインアップにより、消費者の多様なニーズに応えている。その一つが「す~飲め」の愛称で親しまれる「福徳長 米だけのす~っと飲めてやさしいお酒」シリーズだ。純米吟醸酒は精米歩合60%、純米酒は70%まで磨き上げた国産米を100%使用し、山梨の豊かな自然が長い年月をかけて育んだ天然水で丹念に仕込んでいる。

 「す~飲め」のラインアップは、米の旨味が特徴の「純米酒」と、より深い旨味と華やかな香りが人気の「純米吟醸酒」の2種類。両方とも優しい味わいで常温でもおいしく頂ける上、季節や料理に合わせて飲用温度を変えると幅広い楽しみ方ができる。刺し身や酢の物、おひたし、塩焼きなどには冷やして飲むのがお勧め。純米吟醸酒はロックもOK。すっきりとしてやさしい味わいが、料理の素材を引き立てる。揚げ物や煮込み、洋食には、ぬる燗で。純米酒ならではのふくよかな香りと芳醇な旨味は味噌、油、チーズなどコクのある味付けと相性抜群だ。また、おでんや鍋物、蒸し料理には熱燗で。米の旨味が体にしみる、寒い季節にぴったりの飲み方だ。

 ほかにも、純米酒「蔵人のかくし酒 山田錦51%」は山梨の良質な天然水と酒造好適米「山田錦」を51%使用し、まろやかで味わい深い酒。やや濃醇な味わいは、ぬる燗や熱燗がよく合う。同社は特定名称酒以外の普通酒についても、原料は全て国産米を使用している。「福徳長 米だけの酒」は、飽きのこないまろやかな味わいで食中酒に最適。リーズナブルな価格が魅力の「蔵人の譽」は、燗でも冷やでも四季を通して楽しめる商品だ。

味と品質、コストパフォーマンスのさらなる向上を目指して

 伊藤工場長は、「山梨は水が非常に良く、この工場は韮崎市の中でも高台にあるため寒暖差が大きいです。酒造りには冷涼な気候が大切。大体午前中に仕込みを行いますので、気温が低く、酒造りをする上でとても良い環境です」と話す。「造りはほとんど機械で対応するので基本的に少ない人数でやっておりますが、その分、大きなミスができないということで各自が緊張感を持ってやっています。特に力を入れている『す~飲め 純米吟醸酒』の品質をさらに高めていくことが今後の目標。会社の主力になるぐらいのブランドを目指していきたいです」と力を込めた。

 オエノンホールディングス株式会社の田中直子コーポレートコミュニケーション室長は「国内における清酒消費量が減少する中、少しでもその下支えとなるのが当社の使命と考えております。今後も、普段から気軽に飲んでいただける特定名称酒の開発など、味と品質、コストパフォーマンスの向上に努めてまいります」と語る。
 もっとおいしく、もっと気軽に清酒を楽しんでほしい―。社員たちの思いが込められた商品が今日もまた、韮崎の地から日本全国に向けて送り出されている。

福徳長酒類株式会社 韮崎工場
住所:山梨県韮崎市穂坂町宮久保5228-1
TEL:0551-23-5843 FAX:0551-23-2695
URL:http://www.oenon.jp/